更新日: 2017年09月16日
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睡眠時無呼吸症候群だと緑内障になりやすい!? そのメカニズムとは?

睡眠時無呼吸症候群の方の緑内障の発症率は、そうでない方のおよそ10倍も高いことがわかっています。それにしても、なぜ睡眠時無呼吸症候群の場合、緑内障の発症率が高くなってしまうのでしょうか? これから詳しくご紹介します。

失明の原因1位「緑内障」とはどんな病気? 発症の原因は?

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緑内障は視神経が損傷してしまうことで、視野(見える範囲)が徐々に狭くなってしまう病気です。早期発見されれば、治療により進行のスピードを遅らせることはできますが、一旦失った視野は取り戻せません。

最悪の場合は失明に至ります。実際、厚生労働省の研究によると失明の原因の1位は緑内障、2位が糖尿病性網膜症です。

視神経が損傷する原因としては、眼圧が上がることや、近視、老化などが知られています。他にも遺伝や免疫、ストレスなど複合的な原因で発症するという説もあります。

眼圧が上がるとなぜ視神経に影響が出るのでしょうか? 目の中では、房水という液体が作られ、循環し排出されています。この排出がうまく行かず、目の中の圧力が高まると、目の奥の視神経を損傷してしまうのだそうです。

さまざまな病気を発症する原因に? 睡眠時無呼吸症候群とは?

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睡眠時無呼吸症候群は、夜、眠っている間に 一時的に呼吸が止まってしまう状態が、一晩のうちに何度も繰り返される疾患です。その患者数は、日本国内において、およそ200万~300万人といわれています。無呼吸状態は、眠っている間に起こることなので、本人が気づけない場合も多く、潜在的な患者数を含めると、睡眠時無呼吸症候群の総患者数は、さらに多くなると考えられています。

睡眠時無呼吸症候群の典型的な症状としては、大いびきをかく、夜中に何度も目が覚める、日中に強い眠気を感じる、よく眠った感じがせず疲れやすい、朝起きたときに頭が痛いなどがあります。

睡眠時無呼吸症候群になると、高血圧、心筋梗塞、糖尿病などの発症リスクが高くなることが知られています。睡眠時無呼吸症候群が発症リスクを高めてしまう疾患は、そのほかにも数多く存在します。緑内障もその中のひとつです。

睡眠時無呼吸症候群が緑内障の発症リスクを増大させる理由

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それにしても、一見関係のない、「睡眠時無呼吸症候群」と「緑内障」。なぜ睡眠時無呼吸症候群だと緑内障の発症リスクが高まるのでしょうか?

その理由として、それまでは、眠っている間に無呼吸になることで、眼圧が高くなってしまうからと、いう説が最も有力でした。しかし、睡眠中に眼圧を測定することが実質不可能だったため、その説が本当に正しいかどうかを検証することができませんでした。

しかし、コンタクト型の眼圧計の使用が許可されたことで、睡眠時無呼吸症候群の患者の方の睡眠中の眼圧を測定することが可能になったのです。2016年6月7日に、北海道大学の研究グループが、この眼圧計を用いて睡眠時無呼吸症候群の患者の睡眠中の眼圧の変動の測定に成功しました。

その結果、無呼吸の発作を起こしたときは、そうでない状態のときよりも、むしろ眼圧が下がることが明らかになりました。

北海道大学の研究グループは、この結果を元に、睡眠中に無呼吸になることで、血液中の酸素が不足することに原因があるという新たな仮説を立てました。血液を通して、必要な酸素が届かないと、細胞が弱り、壊死しやすくなるのではないかと、考えられたようです。

この結果は、正常眼圧緑内障の原因を解明する重要な手掛かりになるとされています。

おわりに

緑内障は、40歳以上の方の場合、20人に1人の割合で発症するといわれています。睡眠時無呼吸症候群と同様に、自覚症状がないために、重症化するまで気づきにくいという難点があります。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、睡眠外来など専門機関への受診に加え、念のために眼科の検査も受けるようにされるとよいでしょう。

出典:厚生労働科学研究費の成果概要「正常眼圧緑内障の病態解明と治療薬の開発」(PDF)

出典:
北海道大学PressRelease「睡眠時無呼吸症候群患者の夜間眼圧変動の測定に初めて成功」

知っておきたい! 睡眠時無呼吸症候群の治療の選択肢とは?

軽量で使い捨てできる! 鼻チューブ型グッズ「ナステント」


国内メーカーにより2014年から販売されたのが「ナステント」という一般医療機器。これは鼻から口蓋垂(のどちんこ)まで鼻チューブを挿入し、気道を確保することで、無呼吸になることを防ぎます。

チューブを挿入して気道を確保するという方法自体は、救急医療現場で気道確保などに使われてきたものの応用だとか。一度買ってしまえば後はオンラインで購入でき、手軽なのもポイントです。




重度の睡眠時無呼吸症候群に効果大! 機械で空気を気道に送り込む「CPAP」


CPAP治療では、鼻マスクを装着し、機械から空気を送り込みます。その風圧で気道を広げ、空気を送り込むことで、無呼吸になることを防ぐ仕組みです。喉が乾燥しやすい、毎月通院する必要がある、などのデメリットもありますが、重度の患者さん向けの標準治療だそうですよ。




口蓋垂(のどちんこ)や鼻腔を広げる「手術」


患者ごとに原因を特定し、それによって異なる手術方法が選択されます。のどが狭かったり、口蓋垂(のどちんこ)が大きいことが原因の場合、口蓋垂(のどちんこ)の一部とその周辺部位を切除します。また原因が鼻腔が狭いことや鼻づまりの場合には、それを解消する手術になります。

ただし、睡眠時無呼吸症候群の原因は特定しきれないことも多く、手術を受けても必ず睡眠時無呼吸症候群が解消するとは限らず、その後も治療が必要になることもあるそうです。

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